プレスリリース
2023年2月1日
ACC-18:宣教の5つの指標: 今日と明日
アングリカン諮問評議会の18回総会が2月12日から19日までガーナのアクラで開催されます。アングリカン諮問評議会(Anglican Consultative Council、ACC、全聖公会中央協議会)は、世界のアングリカン・コミュニオンの4つの「コミュニオンのインストルメンツ」または「一致のインストルメンツ」の一つです。アングリカン・コミュニオンは、165を超える国にある42の自立した、相互依存的ではあるが独立的な教会からなっています。カンタベリー大主教であるMost Revd ジャスティン・ウェルビー大主教がACCの会長を務めており、今月の会議にACCの他のメンバーとともに出席する予定です。
ACCのメンバーはガーナ滞在中、ケープ・コースト城を訪れます。ここは、かつて西アフリカからアメリカ大陸に奴隷を連れて行く時の中継点でした。近隣のクライストチャーチ大聖堂では礼拝の際に、和解に向けたある行動が行われることになっています。
会議は祈り、礼拝、そして聖書研究を基本として、朝の祈り、聖書研究、聖餐式、夕べの祈り、そして夜の祈りが毎日行われます。
オープニング・サービスは2月12日(日曜日)にアクラ・レゴンのChurch of Christで行われ、ガーナのナナ・アクフォ=アド大統領が出席します。ACC議長であるポール・クウォン大主教がこのサービスを主宰し、説教はジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教が行います。
クロージング・サービスはガーナSt George’s Garrison Anglican Churchで行われます。ジャスティン・ウェルビー大主教が主宰し、ポール・クウォン大主教が説教を行います。これが、クウォン大主教のACC議長としての最後の務めとなります。
この会合の終了をもって、ポール・クウォン大主教はACCの議長を退き、副議長のCanon マギー・スウィンソン師をはじめ、アングリカン・コミュニオンの常任委員会の他の5名の委員も役職を退きます。本会議では、新たな議長と副議長、そして交代する常任委員会の委員の選挙が行われます。
アングリカン・コミュニオン42管区のうち39管区からの110人がACC-18に参加するためにアクラを訪れ、他に他宗派のキリスト教会から5人のゲストも参加します。ナイジェリア教会(アングリカン・コミュニオン)、ルワンダ・アングリカン教会、そしてウガンダ管区教会の3つの管区は、ACCへの参加代表を指名していませんが、これは、一部の分野、とりわけ性道徳の分野でアングリカン・コミュニオンと考えが一致しないことから、アングリカン・コミュニオンの、コミュニオンのインストルメンツの会合に参加しないという方針に沿ったものです。
ACCのメンバーは、インター・アングリカン一致・信仰・職制常任委員会(IASCFO)からの一つの提案を検討することになっています。これは、「一つになることへの私たちの呼びかけの中心として」、アングリカン・コミュニオンにおける構造と意思決定の問題を検討する新たな活動となるものです。
IASCUFOからACCに提出される資料には、「アングリカン・コミュニオンはここ数十年の間にいくつかの構造的課題に直面してきたが、一貫して対処できていない」と述べられています。インター・アングリカンの「障害」は、最初に女性の按手式に関して現れ、アングリカン・コミュニオンは、Lambeth Conferenceとその後に続く委員会において、「最大限の交流」という語を作り出し、秩序と敬意を持ってこれに対応しようとしました。管区教会の中には差異化の構造を発展させることによって様々な見方を取り入れようと試みているところもあり、このことは教会学の実験と理解されています。
「同性間の関係や教会での立場についての意見の不一致はさらに長くつづくと見られており、未解決のままです。1998年Lambeth Conferenceの[決議] 1.10の教えは、多くのアングリカン・キリスト教徒にとって重要で権威ある試金石としての役割を果たしていますが、一方で、それを一新したり、すっかりなくしてしまいたいという人もいます。教義面や神学面、釈義面での意見の不一致が続き、分断が拡大している中、2008年と2022年のLambeth Conferenceへの出席を拒否し、他のコミュニオンのインストルメンツに参加しない教会もあります。一方で、同性結婚に配慮するため、教えと実践を変えた管区もあります」
この文書では、「一連の即興的な差異化」がいかにして「多くのその場しのぎの決定と戦略の中で発展してきたか」を説明し、「これらの問いに正確に対処するよう求められるグループとして、IASCUFOは、アングリカン・コミュニオンが自ら信じることをもう一度言い、教会の中でともに生きるために誠実で明白な表現を探るべきだと考えています」
その提案は、「Good differentiation(良き差異化)」について考えることを目指すものです。これについて、IASCUFOは、「このような差異化の必然性を仮定しようとするものではなく、長きにわたりそれを崇拝したり、私たちの辛い分断に味方するものでもありません。むしろ、この仕事は、私たちの分断の現実と深さを認識し、それらを可能な限り神学的に責任のある方法で記述しようとすることです」と述べています。
「これには、アングリカン・キリスト教徒だけでなく、すべてのキリスト教徒との間で私たちが召されている和解への懸命の努力に意味をもたらすであろう「十字架を通しての一つの体」というキリストが形作った一致を基礎とする教会の教義が必要となります。私たちのコミュニオンを完成させたり癒したりすることからまだほど遠い現状から、私たちの関心は、広くエキュメニカルなレンズを通してアングリカンの使命を見ることになるでしょう。」
ACCのメンバーは、「可能な限りともに歩くことの重要性の確認と、私たちのエキュメニカルな対話から、いかにして意見の不一致に忍耐強く敬意を持って対応していくかを学ぶこと」を求められことになります。
アオテアロア・ニュージーランド・ポリネシア・アングリカン・チャーチのフィリップ・リチャードソン大主教が議長を務めるタスクフォースからは、いかにしてアングリカン・コミュニオンの常任委員会を強化し、コミュニオンのインストルメンツをより良く支えられるようになるかについて考える機会も設けられる予定です。ワーキンググループは大主教が任命し、作業は常任委員会により進められてきました。
また、ACC-18では、13の認定ネットワークとアングリカン・コミュニオンの6つの委員会が、アングリカン・コミュニオンの宣教の5つの指標に焦点を当てつつ、それぞれの活動の最新状況を共有するための場も設けられます。これらの宣教の指標は、40年近く前の1984年7月、ナイジェリアのバダグリーで開催されたACC-6において、ACCにより初めて(宣教の4つの指標として)採択されました。
アングリカン・コミュニオンのセクレタリー・ジェネラル(総主事)であるアンソニー・ポッゴ主教は、昨年9月に新たにそのポストに就いて以来、初めてACCの会合に出席します。ポッゴ主教は今日、次のように話しました。「私の希望と祈りは、宣教の5つの指標がさまざまな管区や状況においてどのように実践されているかについて話し合うことで、私たちがお互いに学びあい、励みを受け、そしてさらに多くのことをするためにお互いを刺激し合うことです。今回の集まりから、宣教の5つの指標がさらに活発になることを私たちは期待しています。」
ACC-18のプログラム詳細は、関連の資料やレポートとともに、専用のマイクロサイト www.acc18.org 上でまもなく公開されます。プログラム概要は次のとおりです。
1日目:2月12日(日曜日)
第1の宣教の指標:話す
- カンタベリー大主教による式辞
- オープニング・サービス(於レゴンのChurch of Christ the King)
- オープニング・ディナー(ガーナ大統領によるご招待)
2日目:2月13日(月曜日):
第2の宣教の指標:教える
- セクレタリー・ジェネラルの報告
- アングリカン・コミュニオン伝導・弟子育成委員会
(チャーチ・プランティングと意図的弟子育成ネットワークネットワークを含む) - アングリカン・コミュニオンにおける神学教育
- アングリカン・コミュニオン科学委員会
- アングリカン・コミュニオン・セーフ・チャーチ委員会
3日目:2月14日(火曜日)
第3の宣教の指標:仕える
- インターナショナル・アングリカン・ファミリー・ネットワーク
- アングリカン・ヘルス・コミュニティ・ネットワーク
- アングリカン連合
- インター・アングリカン一致・信仰・職制常任委員会
- アングリカン・インターフェイス委員会
- リーガル・アドバイザーズ・ネットワーク(教会法)
- インターナショナル・アングリカン典礼協議会
- アングリカン・コミュニオン・カレッジ・ユニバーシティ
- 第1回決議案協議
4日目:2月15日(水曜日)
- ケープ・コースト城を訪問
- クライストチャーチ大聖堂で礼拝
- Bishopscourtで植樹(アングリカン・コミュニオン・フォレスト)
5日目:2月16日(木曜日)
第4の宣教の指標:変える
- ジェンダー公正
- インターナショナル・アングリカン・ウイメンズ・ネットワーク
- アングリカン平和・正義ネットワーク
- エキュメニカル関係と対話
- 第2回決議案協議
6日目:2月16日(金曜日)
第5の宣教の指標:尊ぶ
- 議長、副議長、常任委員会委員5人の選挙
- アングリカン・コミュニオン環境ネットワーク
- アングリカン先住民ネットワーク
- 国連アングリカン・コミュニオン事務局
- アングリカン・コミュニオン・ユースネットワーク
- ポルトガル語ネットワーク
- フランス語ネットワーク
7日目:2月17日(土曜日)
- 第3回決議案協議
- Lambeth Conferenceフェーズ3
- 支持声明
- ガラディナー(ガーナ副大統領出席)
8日目:2月18日(日曜日)
- アクラの教区を訪問
- クロージング・サービス(於St George’s Garrison Anglican Church)